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山林で迷子になりかけた話~携帯のGPSに救われた境界測量~

お知らせ

はじめに – 20000㎡の挑戦

「山林の測量をお願いします」そんな依頼を受けたとき、正直なところ少し緊張しました。対象は約20000㎡(2ヘクタール)のヒノキ林。東京ドーム約半分の広さです。平地の住宅地とは勝手が違う山の中での境界確定作業が始まりました。

最初の難関 – 「ここはどこ?」

山に入って最初に直面したのは、現在位置がわからないという根本的な問題でした。地図を見ても、周りを見渡しても、どこがどこだかさっぱり分からない。同じような木々が延々と続く中で、自分がどこにいるのか完全に見失ってしまったのです。「これは困った…。」そんな時、スマートフォンのGPSアプリが救世主となりました。

GPSアプリとの出会い – 現代技術の威力

アプリを起動して歩き始めると、なんと! 現在位置が地図上にリアルタイムで表示されるではありませんか。「あ、今ここにいるのか」「この谷がここで、あの尾根がここか」デジタル地図と現実の地形が頭の中で一致した瞬間、迷子状態から一気に脱出できました。現代技術の素晴らしさを実感した瞬間でした。

ポケットGPSの威力 – 面積までわかる時代

さらに驚いたのは、ポケットサイズのGPS機器でした。境界を歩いて回ると、画面上に土地の形状が描かれ、面積まで自動計算されるのです。結果は登記上の面積とほぼ一致。「技術の進歩ってすごいな…。」昔、苦労して測っておられた作業が今では歩くだけで完了してしまうのです。

最大の難関 – 境界立ち会いという人間ドラマ

立ち会い技術的な問題はクリアできましたが、ここからが本当の勝負でした。隣接地主さんを探さないといけません。役場で入手した山の図面を頼りに、隣接する土地の所有者を調べ上げました。そして、一人ひとりに資料と現地の写真を添えて、境界立ち会いのお願いの手紙を郵送しました。

様々な反応

お返事が全員からいただけましたが、内容は様々でした。
  • 「現地まで遠くて行けません」
  • 「体調が良くないので…。」
  • 「行ったとしても境界なんてわからないし…。」
確かに、山の中の境界なんて普通はわからないですよね。

現地に来てくださった方々

それでも、わざわざ現地まで足を運んでくださった方もおられました。その姿勢に本当に感謝いたしております。

一人で挑む境界の推定 – 山の境界の奥深さ

立ち会いが得られない部分については、所有者の方から一任されているので、こちらで境界を推定しなければいけません。

山の境界の基本を学ぶ

専門書やインターネットで「山の境界」について調べました。そこで知ったのは、
  • 尾根筋が境界になることが多い
  • 谷筋も重要な指標
  • 植生の違いも手がかりになる ということでした。

現地での実践

イメージを頭に入れて、いざ現地へ。「この尾根筋が境界かな?」「こっちの谷の方が自然だろうか?」植生の変化も観察しながら、一本一本仮杭を打って進みました。

完了!そして思ったこと

最終的に、ヒノキ林の周囲のすべての測量を完了することができました。

学んだこと

  1. 現代技術の素晴らしさ – GPSの威力を実感
  2. 人との関わりの大切さ – 立ち会いの重要性
  3. 自然の奥深さ – 山の境界の複雑さ
  4. 一歩一歩の積み重ね – 地道な作業の重要性

最後に

山林の測量は、技術、人間関係、そして自然への理解が必要な奥深い仕事です。
GPSという現代技術に助けられながらも、最終的には人間の判断と足で稼ぐ地道な作業が決め手となります。
そんな「アナログとデジタルの融合」と体験できた貴重な経験でした。
この体験記が少しでも参考になれば幸いです。

 

坂本りょう土地家屋調査士・行政書士事務所(兵庫県赤穂市)

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著者土地家屋調査士・行政書士坂本 龍
坂本りょう土地家屋調査士・行政書士事務所
(兵庫県赤穂市)

土地家屋調査士・行政書士として2016年より兵庫県赤穂市にて開業しております。
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